【解説】大学にはどんな種類があるの?国立や私立の違いとは?
志望校を考える時に、国立大学にするか私立大学にするかはとても大きな問題になってきます。
勉強する科目数なども大きく変わってくるからです。
しかし、それだけではなく、国立と私立大学には他にも様々な違いがあります。
そこで今回は、その違いについて解説しています。
国立大学を詳しくみていこう
まずは国立大学を詳しくみていくことにしましょう。
同じ項目で後に私立大学のことを解説しているので、違いもみながら読んでみてください。
運営元
国立大学とは国立大学法人が設置している大学のことです。
つまり、国がお金を出して運営しているのが国立大学なのです。
ちなみに、以前は国が設置や運営を行ってしましたが、2003年に国立大学法人法が施行されたことで、運営母体は国立大学法人にかわりました。
ただ、これは民営化されたということではなく、国民の税金で運営していることに変わりはありません。
国立大学は各都道府県に最低1つは存在します。
2020年(令和2年)4月1日時点で86校(うち大学院大学4校)が存在しています。
学費
国立大学は私立大学よりも学費が安いです。
種類 | 授業料 | 入学料 | 施設費用 | 合計 |
---|---|---|---|---|
国立大学 | 53万5800円 | 28万2000円 | – | 81万7800円 |
上記は国立大学の一般的な入学料を含めた一年間の授業料です。
国立大学の学費は以前は一律で同額でしたが、今は文科省が定める標準額のプラス20%を限度に各大学が定めることになっています。
大学4年間だと、だいたい以下の金額が必要になると言われています。
242万5200円
国立の医学部にとても人気があるのは、学費が安いからです。
そのため、私立では他の学部と違ってとても高い学費を払わなければならない医学部でも、国立では学費が変わらないのです。
国立大学医学部の学費は私立の学費の10分の1以下になることもあるようです。
ちなみに公立大学では、居住地等の条件により、入学金等が異なります。
入試形態
国公立大学では、一般に前期試験、中期試験、後期試験の3つしか方式がありません。
それぞれの方式は、すべて決められた同じ日にやるので、1方式1校しか受けることが出来ません。
中期試験に関しては実施していない大学も多くあります。
さらに言えば、前期試験に比べて後期試験の枠は非常に少ないため、私立大学のように何度もチャレンジできる制度ではありません。
入試制度をしっかりと理解し、自らに合った入試方式を見つけることが大切です。
難易度
国立大学は一般的に難易度が高めです。特に大都市の近くにある国立大学は難易度が高くなる傾向があります。
特に国立の医学部の学費は私立の10分の1に収まる場合もあるので人気が非常に高く、私立よりも難易度が高くなっています。
特徴
国立大学では教員1人あたりの生徒数が比較的少なめです。
なぜなら、国立大学は私立と比べて定員が少なめだからです。
そのため、教員と密接にかかわることができます。
また、特に理系の研究設備は整っている傾向があります。
ただ、その分、国立大学の理系の人気は高いため、入るのは大変でしょう。
一般的に国公立大学の夏休みは8月頭から9月末、春休みは2月頭から3月末までになります。
そして国立大学はキャンパスが非常に広大である場合が多いです。
私立大学を詳しくみていこう
それでは、ここからは私立大学のことについて詳しくみていこうと思います。
国立大学とは結構違いますね。
運営元
私立大学とは学校法人が設置し、運営している大学のことです。
つまり、民間の経営者が運営を行っているのが私立大学なのです。
そして、私立大学は数が非常に多く、日本には600以上の私立大学が存在します。
このことから、私立大学の方が選択肢は多そうですね。
学費
私立大学は学費は高めになっています。
種類 | 授業料 | 入学料 | 施設費用 | 合計 |
---|---|---|---|---|
私立大学文系 | 78万5581円 | 22万9997円 | 15万1344円 | 116万6922円 |
私立大学理系 | 110万5616円 | 25万4309円 | 18万5038円 | 154万4962円 |
私立大学医系 | 286万7802円 | 107万3083円 | 88万1509円 | 482万2395円 |
飽くまで参考値ですが、国立大学と私立大学の合計金額をみると、文系であれば35万円ほど私立大学のほうが多く、理系であれば国立大学の2倍近くの金額が私立大学では必要になることがわかりました。
4年間の学費を計算すると、国立大学242万5200円、私立大学文系では397万7697円、私立大学理系では541万6925円となります。
国立大学と私立大学文系とでは約155万円、私立大学文系とでは約299万円の差額となります。
入試形態
私立大学では、様々な種類の入試方式が用意されており、自身に合った方式を選択することができます。
1つの学部に入るための手段がいくつもあるという場合も多く、挑戦機会が多いです。
・大学入試共通テスト利用入試
・得意科目重視型入試
・全学部日程入試
・試験日選択型入試 など。
また受験料さえ支払えば、同じ学科を何度も受験することができるなどのメリットが多くあります。
私立大学を受験する際は、他学科や他大学の入試と被っていないかしっかりと確認する必要があります。
難易度
私立大学の難易度はピンキリです。
中には定員割れを起こしていて、とても難易度が低くなっている大学もあります。
しかし、その一方で国立より入るのが難しい私立大学も存在します。
特徴
私立大学の特徴は学校によりさまざまです。
私立大学には多様な教員がいます。
そのため、個性的な授業も多くなる傾向があるでしょう。
また、私立大学の運営はビジネスであるため、見た目がいいと学生も来てくれます。
そのため、キャンパスが魅力的になっている私立大学も多くなっています。
また、私立大学は就職率をアピールしているところも多くあります。
そのため、学生の就職にはとても力を入れていて、手厚いサポートを受けられる場合も多いでしょう。
私立大学は定員が多いため、多くの卒業生がいます。
そのため、会社の中で学閥が形成されていることも多くあります。
ちなみに、学閥とは出身大学のまとまりのことで、出世や就職などに大きく影響する場合があります。
受験について
最後に大学受験の疑問についてみていきましょう。
よく出る疑問について解説しています。
国立大学と私立大学の併願は可能?
国公立大学を第一志望にしている受験生は、基本的に私立大学を併願することが多いでしょう。
大学入学共通テストが悪かった時に私立大学に照準を変えたり、共通テスト利用で私立大学を抑えておくなどが可能です。
また国公立大学を志望する受験生で数学が得意な受験生は、英国数の3科目で私立大学を受験するというケースも多いです。
文系の受験生と数学で大きく差をつけて、私立大学の合格を狙っていきます。
私立大学の入試問題を見ると、世界史の中で日本史の知識を問うなど、多くの教科を勉強している受験生が有利になる設問が用意されていることもあります。
国立か私立かは、いつまでに決めるべき?
志望校を決めるのは簡単ではないかもしれませんが、できる限り早く、国公立にするか私立にするかを絞るべきです。
というのも5教科を広く浅く勉強するのと、3教科を狭く深く勉強するのでは、勉強の仕方が大きく変わってくるからです。
5教科を勉強していて途中から3教科に絞った場合、3教科に特化して勉強し続けていた場合に比べて成績は低いでしょう。
逆に3教科から5教科に増やす場合、受験する科目が増えるので、新しく覚えなければいけないことが多くなります。
途中で国立と私立の志望を変えることはできる?
国公立大学を志望している人が、私立大学に志望校を変えるのはそこまで難しいことではありません。
5教科7科目勉強していたところを3教科にするとなると、これまで学習した分がもったいなくはなってしまいますが、何とか巻き返せるでしょう。
一方で私立大学を志望している人が途中で国公立を志望するとなると、場合によっては勉強する教科数がかなり増えることになります。
これまでの計画を大幅に変えなければいけませんし、時期が遅いと間に合わなくなってしまう可能性もあります。
私立大学を志望すると決めたら、途中での変更はかなり大変ですので、そのことは頭に入れたうえで決断してください。
それぞれの特徴を知って志望校を決めよう-まとめー
国立大学と私立大学についてみてきました。
国立大学と私立大学とは別に、公立大学という、公立大学法人が設置している大学もあるのですが、こちらは国立大学とほぼ同じ環境だと考えていただければ大丈夫です。
それぞれの大学にはそれぞれの特徴があり、メリットデメリットもあります。
このような特徴を考え、家族とも相談して志望校を決めてくださいね。
目指す大学が決まったら、効率よく勉強し、合格を勝ち取ることが必要となりますね。
そのためには、自分に合った勉強法を見つけ、そのコツを身につける必要があります。
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