心理学は文系?理系?心理学部の特徴についてご紹介します
大学の学びが中学高校時代の学びと異なる点は、『専門分野について奥深く学んだり研究をしたりする』という事です。
近年の傾向として、医療系学部学科が人気を集める中、メンタルヘルスとしての学びである『心理学部』が非常に注目を集めています。
『心理学部』と一言で言っても、文系なのか?理系なのか?実際に大学ではどのような事を学ぶのか、詳細が分からないという人が殆どなのではないでしょうか。
自分が将来就きたい職業や、ずっと携わって行きたい領域を目標として大学の学部学科選びをするので、心理学に興味がある人は、学部の内容をよく知った上で、進路選択肢の一部に含めてみましょう。
心理学部が人気の背景は?
近年、心理学部が人気なのは、一体どんな理由や背景があるのでしょうか?
身近な視点で探ってみたいと思います。
『嫌われる勇気』大ヒット
2020年上半期のビジネス書ベストセラー第2位に選ばれた『嫌われる勇気』は、2013年に発売されて以来、常に売上ベスト10から外れることなく売れ続けている本です。
心理学の巨頭と言われている精神科医であり心理学者でもあるアルフレッド・ヒドラーの教えを元にしている本で、ビジネス書という色合いよりも、心理学の入門書(自己啓発本)という色合いが非常に強い本です。
本の内容は、例えば、
『人間の悩みは全て対人関係である』『あなたの今の不幸はあなた自身が選んだもの』『幼少期のトラウマは存在しない』等、今までの常識を覆すような視点で読者の心を惹き付けました。
現代の人達が抱える対人関係の悩みは非常に根深く、SNSの普及も影響することで深い影を落としています。
『人間は、考え方の転換で今正にこの瞬間から幸せになれるんだ』という光を照らしてくれている本の存在は、読者を勇気づけ、心理学に興味を持つ人も急激に増えたのではないでしょうか。
人は心で動く生き物ですから、幸せになる為の心理学を深く学んでみたいと影響を受けた学生が多くの存在するのだと思います。
鬼滅の刃
大ヒットを記録している『鬼滅の刃』も、人間の心や家族の絆、自分が強くいられる為のコントロールの仕方等、心理学的要素がふんだんに盛り込まれています。
上映された『無限列車編』では、人の無意識領域に入るというシーンがあり、正に心理学を学んでいる人にとっては、『専門的な学びをしている人が得ている知識が、今はもう子供たちが見る映画の世界に落とし込まれている』、と、驚愕した人もいるのではないかと思います。
鬼滅の刃も、テーマは良好な人間関係であり、相手を認めて受け入れる、という心の持ちようが表現されています。
この映画が社会現象を巻き起こしたのも、現代の人達が良好な人間関係を求めており、それを叶える為の心の在り方を登場人物に重ねているのではないでしょうか。
人間の心を深く学びたい、または知識を得て良好な関係性を導きたいと思う人にとって、心理学部は魅力的に感じるかもしれません。
価値観の変化
新型コロナウイルスが社会に与えた影響は非常に大きく、様々は価値観の変化が産まれています。
最終的には自分の心の在り方が重要な時代です。
どんな苦しい状況でも、周りと協力しあい、助け合って生きていく事が何より大切であるということに気づいている人も多いと思います。
将来を担う学生にとって、この領域を学問として携わって行きたいと決意するのも納得できます。
心理学部とは
さて、心理学部は一体文系なのでしょうか?理系なのでしょうか?
大学の学部学科一覧を眺めていると、『文系』に記載されていることが殆どです。
しかし、大学で学ぶ心理学の内容は全てが文系的要素で成り立っているのでしょうか?
細かく見ていきたいと思います。
文系要素
日本の大学において、心理学は『文学部』に属している事が殆どです。
その為、心理学を専攻したい場合、受験は文系科目で受験をするという事になります。
本来、心理学という学問は『哲学』から生まれた学問であり、上述で挙げたアドラーの『嫌われる勇気』という本も、哲学的要素がふんだんに盛り込まれています。
理系要素
文系科目で受験し、文系のつもりで入った心理学部ですが、実際に大学の講義を受けていくと、『あれ?』と気づく人が出てきます。
さあ、心理学を勉強をするぞ!と思い、始めてみると、何やら理系の様な内容が多い気がする…
それは正に、『心理学の学びでは実験が重要であり、実験を検証していくのに統計学が不可欠になるから』です。
心理学部で学ぶ事
文系で入学したのに理系の勉強もするの?と思う人に、心理学部で学ぶ事の一部をご紹介したいと思います。
統計学
統計学って理系分野じゃないの?と思われる方、その通りです。心理学を学ぶ上で必要な『統計学』は数学です。
ここが、文系学部なのに理系の知識が必要たる所以になります。
心理学の研究において、実験は避けて通ることができません。
実験内容を決めたり、対象者を設定し、実験を行うまでは良いのですが、その実験データを扱う時に統計学の知識が必要になってきます。
心理学とは、統計に基づき、出来る限り自然科学的に妥当な手法で、人の心を分析していく学問です。
統計を用いるということは、基本的な数学の知識や計学の基礎的理解が不可欠になります。
実際に大学で受ける講義には、統計学の基本理論があり、遡ると中学の数学で学ぶ平均や中央値等を理解しておく必要があるのです。
論文も、統計学が理解できていないと解読不可能な状態に陥り、データを扱うことが出来ないのです。
『心理学は文系だったはずなのに…』ということにならないためにも、統計学の参考書に目を通してみたり、中学数学の復習をしたり、心理学を学ぶ前準備としてやっておくと良いでしょう。
まとめ
心理学部は文系に属することが殆どですが、心理学を学ぶ上で、統計学という数学的知識が必要不可欠であるということが分かりました。
『理系分野は全く分からないから心理学は無理だな』と考える必要はありません。
大学でも、統計学に関する講義は必須科目に含まれているので、きちんと学びの時間も確保されています。
各高校では、クラス編成自体が文系と理系に別れる傾向が強く、文系クラスに属すると数学に触れる機会もなくなり、もはや勉強しなくて済む分野、と捉えがちです。
数字を扱うことを苦手意識にせず、心理学を理解する上で大事なプロセスの一つという認識が必要です。
『心理学は科学である』と唱えている人もいます。
是非、心理学部の特徴を踏まえて、学部選びの参考にして下さい。
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