アクチュアリーとは?気になる仕事内容とおすすめの大学を紹介!
アクチュアリーという職業を知っているでしょうか?
アクチュアリーという職業に少しでも興味があれば、実際にどんな仕事をしているのか気になりますよね。
今回はアクチュアリーの仕事内容やなるためにおすすめの大学を紹介します!
進路選択に悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。
アクチュアリーとは
アクチュアリーとは、簡単に言うと数理業務のプロフェッショナルです。
数学的手法を駆使して、将来のリスクなどの不確定な事象を予測・推測します。
統計学や確率論を使い、生命保険商品や損害保険商品などの金融商品を設計する仕事を行う専門家です。
日本語で「保険数理士」と訳され、生命保険分野、損害保険分野、年金分野などで活躍します。
日本では「日本アクチュアリー会」が実施する難関な資格試験に合格した正会員のみがアクチュアリーとされ、日本には約5000人のアクチュアリーがいます。
アクチュアリーの仕事内容
アクチュアリーが関わる仕事内容は主に4つの分野に分けられます。
「生命保険分野」「損害保険分野」「年金」「リスクマネジメント」です。
それぞれについてみていきましょう。
生命保険分野
生命保険とは人を対象にした保険で、保険をかけていた方が亡くなってしまった際に、残された家族(受取人)が保険金を受け取れるという、人が亡くなる有事に備えて保障を提供するサービスです。
生命保険は基本的に長期に渡って加入者との契約関係を維持し、将来の保証を約束するものです。
そのため、生命保険会社は常に死亡率や金利を計算し収支のバランスを保つ必要があります。その際に活躍するのがアクチュアリーです。
アクチュアリーは保険会社の健全性を保ち、保険金等の支払い能力を確保するため「生命保険数理」を用いて、会社全体の収支分析や責任準備金などの計上、保険料の算定などの業務を行います。
損害保険分野
損害保険とは人ではなく、車や家にかける保険になります。事故や災害によって生じた損害を補償するサービスです。
代表的なものに、自動車保険や火災保険があり、多種多様なリスクに応じた保険商品が取り扱われているのが損害保険の特徴です。
自動車保険を例にすると、自動車は運転している人の年齢、車種、日々の走行距離など契約者によって異なってきます。契約者が違えば起こりうるリスクも違ってきます。
そこでアクチュアリーは事故や災害の発生頻度、それによる損害率を保険数理にて分析し、多種多様なリスクを考え、保険のモデルの組み立てや商品開発のサポートを行います。
年金
年金は公的年金と私的年金がありますが、アクチュアリーは主に私的年金の「企業年金」に関わりがあります。
企業年金の制度設計や掛金率の計算など、厚生年金基金制度や確定給付企業年金制度を担当する場合が多いようです。
従業員が退職する際に払う退職金を支払うための掛け金なども計算しています。
退職金は勤務年数や退職時期によって、金額が異なってくるため、従業員の将来的な昇給などを考えながら計算する必要があります。
リスクマネジメント
企業は頻発する災害や新型コロナ流行など、会社を取り巻くリスクが増加していることから、リスクマネジメントを重要視するようになりました。
特に近年では、組織に発生するあらゆるリスクについて、組織全体の視点から統合的・包括的に把握・評価し価値の最大化を図るERM(Enterprise Risk Management)分野でアクチュアリーが期待されるようになってきています。
リスクマネジメントのために、様々な事象を分析・計算しリスクに備えた提案をするのがアクチュアリーの仕事になります。
アクチュアリーになるには
高度な専門性が求められるアクチュアリーですが、なるためにはどうすればよいのでしょうか?
アクチュアリーになるためには、アクチュアリー会の「正会員」になる必要があります。
正会員になるためには、日本アクチュアリー会が毎年実施している資格試験の全科目合格とプロフェッショナリズム研修(初期教育)の受講が必須になっています。
資格試験を全科目合格するためには、基礎科目となる第1次試験5科目、専門科目となる第2次試験2科目の計7科目に合格する必要があります。
基礎科目5科目のうち1~4科目に合格すると研究会員、すべてに合格すると準会員になります。
専門科目2科目に合格すると正会員となることができますが、全科目合格までには最低でも2年必要になります。
そのため多くの正会員は、企業でアクチュアリー業務に携わりながら勉強を続け、試験に合格して資格を取得しているようです。
日本アクチュアリー会のWebサイトによると、資格取得までの平均年数は、準会員が入会時より約5年、正会員が約8年になるようです。
資格試験について
資格試験は毎年1回、12月に東京と大阪で実施されます。
年に1回しかないため、資格試験を申し込む際は事前にホームページなどで確認しておきましょう。
第1次試験
第一次試験の目的は「第2次試験を受けるに相当な基礎的知識を有するか否かの判定」とされています。
基礎科目が問われ、試験科目は以下の5科目になり、筆記試験になります。
「数学」
「生保数理」
「損保数理」
「年金数理」
「会計・経済・投資理論」
受験資格は「学校教育法による大学(短期大学を含む)を卒業した者」または「試験委員会が大学を卒業と同等の資格試験受験に必要な基礎的学力を有すると判断した者」とあります。
また大学3年生以上の人や受験科目に関連する知識を必要とする保険や年金業務を3年以上経験している人も受験することができます。
学部3年生から内定前に就活対策として受験することも可能です。
アクチュアリーの資格試験では取得した科目を保持しておくことができるため、早めに資格取得にチャレンジすることもおすすめです。
第2次試験
第2次試験の目的は「アクチュアリーとしての実務を行う上で必要な専門的知識および問題解決能力を有するかどうかの判定」とされています。
より広く専門職としての見識が問われます。
次の3つのコースから1つを選択することになり、試験は筆記試験になります。
いずれのコースも、専門科目2科目から構成されており、どのコースを選択しても正会員資格としての区別はされません。
生保コース:「生保1」「生保2」
損保コース:「損保1」「損保2」
年金コース:「年金1」「年金2」
受験資格は第1次試験全科目(5科目)に合格した者になります。
就職してから目指す
アクチュアリーの資格取得は非常に難しいと言われています。
1次試験の各科目の合格率は10~20%程度です。
高度な数学力が必要となることはもちろんのこと、試験に合格するためには最低でも2年、平均でも8年と長い年数を費やすことになります。
試験の難易度が高いため、生命保険会社、損害保険会社、銀行などに就職して、職務経験を重ねつつ資格取得の勉強を同時進行する人が多いようです。
企業によっては「アクチュアリー候補」としての採用枠を設けているところもあります。
アクチュアリーの業務をする部署へ配属されるため、実践しながら基本的な知識を身に着けることができるため、試験にも合格しやすくなります。
場合によっては、資格試験の対策講座や受講費の援助をしているところもあります。
アクチュアリーになるためにおすすめの大学
アクチュアリーを目指す人は、数学科の学部・学科に進む人が多いようです。
必ずしも数学科ではないといけないということはなく、経済学部を中心に文系出身のアクチュアリーも存在します。
ただ、文系であれば数学が苦手でないことが必要でしょう。
アクチュアリーとして働くには、アクチュアリー候補生として企業に採用されるのが近道です。
しかし、アクチュアリー候補生として入社するのは非常に倍率が高く狭き門になります。
数学的思考を試される非常に厳しい選考を勝ち抜くのは、やはり東大・京大・早慶など一流大学出身者が多いようです。
そのため、アクチュアリー候補生として入社したいのであれば高学歴同士の戦いになると覚悟しておく必要がありそうです。
資格を取得しさえすれば学歴の差は一切ないため、アクチュアリーに必要な知識に関連する業務に携わりながら資格取得を目指すこともできます。
アクチュアリーに必要な数学レベル
大前提として、アクチュアリーは数字を扱うため、数字を見るのが苦痛だという人には向いていません。
アクチュアリーに必要な数学は「確率」「統計」「モデリング」に分けられます。
基礎知識を問う問題では、高校数学レベルの知識でも解ける問題が出題されるようです。
大学では統計学を学び、基礎を固めておくとよいでしょう。
基礎を固めておこう|まとめ
アクチュアリーになるためには、東大や京大、早慶などの一流大学に進学した方が有利だということが分かりました。
また、一流大学に入学するしないにかかわらず、日本アクチュアリー会の難関資格試験を突破しなければなりません。
そのためには、中学生・高校生のうちから基礎を固めておく必要があります。
基礎があってはじめて専門的な知識は身につくものです。
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